ベッドバス
清潔保持、コミュニケーションや苦痛の緩和にも効果があります。
ベッドバスとは、ベッドサイドケアにおいて、私たちが最も時間をかけ、こだわりを持って実施している清拭・手浴・足浴・洗髪のことです。
当院の患者さんは、急性期の治療が終わったものの自宅に帰ることが難しいため、長期療養を必要とする方がほとんどです。
急性期の病院においては、病状の回復が優先されるため、身体を清潔に保つことの優先順位は高くなく、患者さんご自身は、身体を拭くことも手足を洗うこともできません。
ベッドバスは、蒸しタオルなどで体を清拭することです。患者さんご自身で入浴ができない時などに、お風呂に入った時と同じように体を清潔にし、爽快感を与え、血液の循環も良くします。
血行を良くするように、末端より心臓に向かって順に拭いていきながら、同時に褥瘡(じょくそう)の有無を確認します。特に冬場は部屋を暖めて、風邪などの予防にも配慮して行います。清拭の基本は、こするのではなく蒸らすことです。無理にこすると皮膚を傷つけてしまいます。蒸しタオルで毛穴を十分に開いて汚れを浮き上がらせてから、やさしく拭き取ります。耳のうしろや髪の生え際など、普段見落としがちな部分の皮膚に変化や異常がないか気に留めながら行っております。
ベッドバスは、寝たきりの入院患者さんの身体の清潔保持だけではなく、コミュニケーションや苦痛の緩和、気分転換などの効果もあります。状況によっては、毎日の手浴、足浴が必要な場合もあり、患者さんおよびご家族からのお褒めの言葉を糧に丁寧に行っております。